日本大学化学2013年第4問

次の文を読んで、問1と問2に答えなさい。

炭素、水素および酸素のみを含み、エステル結合により環状構造となった中性の化合物Aについて以下の実験を行い、次の結果を得た。ただし、化合物Aは四員環の構造をもたず、また不揮発性化合物とみなしてよい。例として、エステル結合により四員環構造となった化合物の構造式を示す。

nihon-2013-chemistry-4-1

[実験1]化合物A288mgを完全燃焼すると、$\text{CO}_2$が616mg、$\text{H}_2\text{O}$が216mg得られた。

[実験2]化合物A216mgを10.0gのベンゼンに溶解すると、溶液の凝固点は0.77℃降下した。

[実験3]化合物Aをアルカリで加水分解したのち、溶液を酸性にすると、化合物Aより分子量が18増加した化合物Bが得られた。

[実験4]化合物Bには、不斉炭素原子が2個存在した。

[実験5]化合物Bを無水酢酸でアセチル化すると1モルあたり分子量が84増加した。

[実験6]化合物Bを硫酸酸性のニクロム酸カリウム水溶液で酸化すると、還元性を示す化合物Cを経て、不斉炭素原子が存在しない化合物Dが生じた。

[実験7]化合物A、B、Dはヨードホルム反応を示した。

  • 問1 化合物Aの分子式は、$\text{C}_{\fbox{25}}\text{H}_{\fbox{26}\fbox{27}}\text{O}_{\fbox{28}}$である。ただし、$\fbox{26}$は十の位を、$\fbox{25}$、$\fbox{27}$、$\fbox{28}$は一の位を示すものとする。同じ記号を何度選んでもよい。また、その桁が存在しない場合は、(0)をマークしなさい。
    <$\fbox{25}$~$\fbox{28}$の解答群>
    • (1)1
    • (2)2
    • (3)3
    • (4)4
    • (5)5
    • (6)6
    • (7)7
    • (8)8
    • (9)9
    • (0)0
  • 問2 次の文で正しいものは、$\fbox{29}$である。
    • (1)化合物Dはメチルアルコールと1カ所でエステル結合する。
    • (2)化合物A、化合物B、化合物Dにある共通の官能基によって、ヨードホルム反応を示す。
    • (3)化合物Dにはケトン基が2個存在する。
    • (4)化合物Dにはカルボキシル基が1個存在する。
    • (5)ヒドロキシ基(ヒドロキシル基)が最も多いのは化合物Aである。
    • (6)化合物Dには無水酢酸でアセチル化されるヒドロキシ基(ヒドロキシル基)が1個存在する。
    • (7)化合物Bには第二級アルコールの構造が2カ所ある。
    • (8)化合物Dは化合物Bよりも酸素原子が2個多い。
    • (9)化合物Dは塩基性の溶液からエーテルによる抽出ができない。
    • (0)化合物Bは$\text{Br}_2$と付加反応する。