日本大学生物2013年第5問

生物群集に関する問い(問1~5)に答えなさい。
  • 問1 種間関係に関する記述で誤っているものはどれか。$\fbox{38}$
    • (1) 生態的地位が近似する2種は、一般に共存することが難しい。
    • (2) 生物群集内での物質とエネルギーの移動は食物連鎖関係による。
    • (3) 安定な生態系では捕食者と被食者は複雑な食物網をつくっている。
    • (4) 近縁な種の間には、食物や生活空間をめぐっての競争が生じやすい。
    • (5) マメ科植物とその根の根粒菌とは窒素固定で片利共生の関係にある。
    • (6) 陸上の植物どうしでは動物どうしよりも光をめぐっての競争が激しい。
  • 問2 種個体群の個体数の変動に関する記述で誤っているものはどれか。$\fbox{39}$
    • (1) 自然環境下の個体群では、個体数の増加の割合は一定である。
    • (2) 被食者の密度の変動よりも、捕食者の密度の変動の方が小さい。
    • (3) 温帯の淡水の植物プランクトンでは春と秋に個体数の上昇が起こる。
    • (4) 生殖可能な齢の個体数の割合と雌雄の比率が将来の個体数を決定する。
    • (5) 同種個体群の密度が変化すると、同種であっても個体間で形態が違ってくることがある。
    • (6) 一般に、哺乳類、鳥類、魚類の生存曲線を比べると、鳥類は一定の割合で個体が減少していく。
  • 問3 近縁な植物種には、安定な環境に適応するように進化した安定型の種と変動の多い環境に適応するように進化した変動型の種がある。イネ科のある植物PとQは安定型と変動型のどちらか一方の型を取るように進化している。植物Pは開花まで30日、植物Qは開花まで80日かかる。
    下の表のA~Hにはそれぞれの種の特徴を表現する語句が入る。表中のA$\fbox{40}$、B$\fbox{41}$、C$\fbox{42}$、D$\fbox{43}$に入るものはどれか。
     植物P 
     植物Q 
    開花までの日数
    30日
    80日
    一株の穂の全重量
    A$\fbox{40}$
    E
    平均茎高
    B$\fbox{41}$
    F
    生息地
    C$\fbox{42}$
    G
    株密度
    D$\fbox{43}$
    H
    • (1) 40g
    • (2) 20g
    • (3) 162cm
    • (4) 186cm
    • (5) 北海道の湿原
    • (6) 瀬戸内海地方の河原
    • (7) 株密度が高い
    • (8) 株密度が低い
  • 問4 ショウジョウバエにも、変動の多い環境に適応した変動型の系統と変動の少ない安定環境に適応した安定型の系統がある。これら2系統のショウジョウバエの1齢幼虫を十分なエサのある同じ大きさの容器で30匹、150匹、300匹と異なる密度で飼育した結果、成虫の生存個体数は下のグラフに示すようになった。安定型系統のハエの生存個体数と体重について正しい記述はどれか。$\fbox{44}$
    • (1) 安定型系統のハエの生存個体数はグラフのAで示され、体重は変動型のハエより軽い。
    • (2) 安定型系統のハエの生存個体数はグラフのAで示され、体重は変動型のハエより重い。
    • (3) 安定型系統のハエの生存個体数はグラフのBで示され、体重は変動型のハエより軽い。
    • (4) 安定型系統のハエの生存個体数はグラフのBで示され、体重は変動型のハエより重い。
  • nihon-2013-biology-5-1
  • 問5 野生型のショウジョウバエを問4のような飼育条件で、高密度(300匹)と低密度(30匹)を維持して、300世代飼育した場合、どのような変化が生じると予想されるか。$\fbox{45}$
    • (1) 最終的に高密度飼育群が変動型系統になる。
    • (2) 最終的に高密度飼育群が安定型系統になる。
    • (3) 飼育群が安定型系続になるか変動型系統になるかは、飼育密度には影響を受けない。
    • (4) 少しでも変動型系統になる傾向が出ると、一気に飼育群全体が変動型系続に変化する。逆に、安定型系統になる傾向が出ると、一気に飼育群全体が安定型系統になるように変化する。