日本医科大学化学2013年第1問

下の文章を読んで、問いに答えなさい。気体は理想気体とみなしなさい。

オストワルト法では、次の(a)~(c)の過程を進めることによって(1)アンモニアを酸化して硝酸を製造する酸を製造する

(a)アンモニアを空気と混合して約800℃に加熱した白金網に通じると、白金が$\fbox{ ア }$として作用して、水に溶けにくい無色の気体Aが生成する。

(b)気体Aは、冷却した後、空気と接触させると、赤褐色の気体Bに変化する。

(c)気体Bを温水に吸収させると、硝酸が生じる。

こうして得られる濃度60%以上の硝酸を濃硝酸という。濃硝酸は無色の溶液であるが、光によって徐々に(2)溶液が黄色に変化するので、$\fbox{ イ }$びんに保存される。

また、濃硝酸は、イオン化傾向が小さく塩酸や希硫酸には溶けない(3)銀を溶解する。しかし、鉄やニッケルはイオン化傾向が大きいにも関わらず、$\fbox{ ウ }$となるため、濃硝酸に溶けない。

  • 問1 $\fbox{ ア }$~$\fbox{ ウ }$に入る適切な語句を書きなさい。
  • 問2 アンモニア分子が硝酸分子に酸化されるときの窒素原子の酸化数の変化量を数字で書きなさい。なお、酸化数が増加するときには+の符号、減少するときには-の符号をつけなさい。
  • 問3 気体AおよびBの化学式を書きなさい。
  • 問4 2.0molのアンモニアを原料として(a)→(b)→(c)と進めたとき、各過程の反応がそれぞれ完全に進行すると仮定すると、何molの硝酸が生成しますか。有効数字2桁で書きなさい。
  • 問5 下線(1)においてアンモニアから硝酸が生成するときの反応熱は、25℃、$1.013\times10^5$Paの下で硝酸1molあたり何kJですか。ただし、各物質は下表に示した状態をとるものとし、必要ならば、表の生成熱の値を用いなさい。また、硝酸の水への溶解は考えないこととする。
    nihonika-2013-chemistry-1-1
  • 問6 25℃、$1.013\times10^5$Paの下で220Lの体積を示すアンモニアをすべて硝酸に変化させたとき、質量パーセント濃度70%の硝酸は何L得られますか。25℃における体積を有効数字2桁で書きなさい。ただし、70%硝酸の密度を1.4g/cm3(25℃)とする。
  • 問7 下線(2)の変化において生じる無色の気体の化学式を書きなさい。
  • 問8 下線(3)において主に起こる反応の反応式を書きなさい。