日本医科大学化学2012年第2問

下記の文章を読んで、問いに答えなさい。ただし、塩化マグネシウムは水溶液中で完全に解離し、また文章中の溶液$\bf{A}$に対して希薄溶液の凝固点降下度を示す式が成立すると仮定しなさい。なお、水100gに溶ける塩化マグネシウム無水塩の最大の質量は25.0℃で55.0g、60.0℃で61.0gであり、水のモル凝固点降下は1.85K・kg/molとしなさい。

塩化マグネシウムは、水溶液中から沈殿させると$n$水和物の結晶として析出する。60.0gの塩化マグネシウム無水塩を60.0℃の蒸留水100gに溶かし、この溶液を25.0℃まで冷却すると$\text{MgCl}_2{\cdot}n\text{H}_2\text{O}$の結晶が質量$x$[g]だけ析出した。この結晶のうちの5.40gを25.0℃の蒸留水50.0gに溶かし、これを溶液$\bf{A}$とした。溶液$\bf{A}$の凝固点降下度を測定したところ、2.78Kであった。

溶液の凝固点とは、溶液が溶媒成分の固体と平衡状態にあるときの温度である。凝固点降下度とは、純粋な溶媒の凝固点と溶液の凝固点との差であるから、溶液の凝固点と溶質濃度との関係は凝固点降下度を示す式から導くことができる。溶液$\bf{A}$を-3.33℃まで冷却し、この温度で溶液が氷と平衡状態にあれば、この溶液中の塩化マグネシウム濃度は$\fbox{a}$mol/kgである。このとき、塩化マグネシウムの結晶が生じていなければ、氷の全質量は$\fbox{b}$gである。

  • 問1 仮に$n=2$であれば、$x$はいくつになりますか。有効数字2桁で単位をつけて書きなさい。
  • 問2 凝固点降下の実験結果から、25.0℃の溶液$\bf{A}$に含まれる塩化マグネシウムの質量モル濃度を求め、有効数字2桁で単位をつけて書きなさい。
  • 問3 凝固点降下の実験結果から、$n$として最も適切な数値を求め、整数で書きなさい。
  • 問4 $\fbox{a}$と$\fbox{b}$に正しい数値を入れなさい。ただし、数値は有効数字2桁で書きなさい。