日本医科大学生物2013年第2問
タンパク質に関する下記の文章を読み、各問いに答えなさい。
タンパク質は、アミノ酸が鎖状に長くつながった分子であり、このアミノ酸の配列が折りたたまれて立体構造が形成される。タンパク質の立体構造は、機能と密接に関係している。この立体構造が変化することを、タンパク質の$\fbox{あ}$という。また、$\fbox{あ}$によって、酵素がそのはたらきを失うことを$\fbox{い}$という。
酵素の中には、ペプシンのように細胞外に分泌されてはたらくものや、細胞内のリソソームのような特定の場所ではたらくものがある。細菌やウイルスなどの異物が動物の体内に侵入してマクロファージに取り込まれると、(a)異物はリソソームに運ばれて、その中に含まれている酵素により処理される。
- 問1 $\fbox{あ}$と$\fbox{い}$にあてはまる語句を、それぞれ漢字2文字で答えなさい。
- 問2 タンパク質の立体構造の一つである「らせん構造」は、タンパク質の何次構造に含まれるか。( )内に漢数字を入れて答えなさい。また、アミノ酸の配列が「らせん構造」を形成するために必要な結合を、以下の(ア)~(エ)よりすべて選び、記号で答えなさい。
- (ア) エステル結合
- (イ) 高エネルギーリン酸結合
- (ウ) 水素結合(水素を介した弱い結合)
- (エ) ペプチド結合
- 問3 ペプシンの基質となりうるものを、以下の(ア)~(ク)よりすべて選び、記号で答えなさい。
- (ア) DNAポリメラーゼ
- (イ) RNA
- (ウ) アクチン
- (エ) グリコーゲン
- (オ) クロロフィル
- (カ) 脂肪
- (キ) セルロース
- (ク) ヘモグロビン
- 問4 ペプシンを十二指腸の腸管の中ではたらかせた場合、胃液中に比べてペプシンの活性はどのようになるか。以下の(ア)~(ウ)より1つ選び、記号で答えなさい。また、その理由も説明しなさい。
- (ア) 高くなる
- (イ) 同じままである
- (ウ) 低くなる
- 問5 ヒトの正常な食物消化の過程において、十二指腸に運ばれてはたらくタンパク質分解酵素の名称と、それをつくる器官の名称を、それぞれ答えなさい。
- 問6 下線部(a)で処理された異物の一部は、抗原として認識される。体液性免疫が起こる場合、どのような順番で免疫反応は進むのか。以下の(ア)~(オ)を、早く起こる順に並べかえなさい。
- (ア) T細胞が活性化される。
- (イ) 抗原抗体反応が起こる。
- (ウ) 抗体が体液中に分泌される。
- (エ) 抗原の情報が細胞表面に提示される。
- (オ) 分泌されたインターロイキンにより、B細胞が活性化される。