大阪医科大学生物2012年第2問

光合成に関する次の文章を読み、設問に答えよ。
太陽光には色々な波長の光が含まれるが、光合成に有効な光はおもに赤色光と青紫色光である。このことを示す「光の波長と光合成速度との関係を示したグラフ」を、光合成の( 1 )スペクトル(曲線)という。光合成には、まず光エネルギーによって葉緑体の( 2 )に存在するクロロフィルなどの光合成色素が活性化される( 3 )と( 4 )という2つの反応系がある。( 3 )では光エネルギーによってクロロフィルが活性化し、電子が電子伝達系に放出される。( 3 )で起こる反応にともない( 5 )が分解され、$\text{H}^+$と電子と( 6 )が放出される。電子伝達系では、電子が流れる際に生じる( 2 )の膜を介した$\underline{\text{H}^+}$の濃度勾配を用いてATP合成酵素によりATPが合成される。この反応過程を( 7 )という。( 4 )では光エネルギーによってクロロフィルが活性化し、$\text{H}^+$および電子伝達系から渡された電子が酸化型補酵素と結合して還元型補酵素を生成する。生成されたATPや還元型補酵素を用いて二酸化炭素を還元し、有機物(炭水化物)が合成される。この反応は( 8 )回路と呼ばれ、葉緑体の( 9 )で行われる。
  • 問1 ( 1 )~( 9 )の空欄に適当な語句を入れよ。
  • 問2 下線部中の( 7 )に対して、好気呼吸でATPが合成される反応過程を何というか。また、好気呼吸では、どの細胞小器官の、どの膜を介した$\text{H}^+$の濃度勾配を用いてATPが合成されているか。
  • 問3 図は、$15\ {}^\circ\mathrm{C}$と$30\ {}^\circ\mathrm{C}$における、ある植物の葉にさまざまな強さの光を照射したときの二酸化炭素吸収速度(相対値)を示している。$30\ {}^\circ\mathrm{C}$の場合、補償点と光飽和点の光の強さ(相対値)を答えよ。(有効数字1桁) また$15\ {}^\circ\mathrm{C}$と$30\ {}^\circ\mathrm{C}$で光飽和点が異なる理由を説明せよ。
  • osakaika-2012-biology-2-1
  • 問4 光の強さの相対値が6で$15\ {}^\circ\mathrm{C}$から$30\ {}^\circ\mathrm{C}$に温度を上昇させたとき、光が必要で二酸化炭素を必要としない反応(明反応)と、光は必要なく二酸化炭素を必要とする反応(暗反応)の速度はそれぞれ何倍になると考えられるか。(有効数字2桁)
  • 問5 $15\ {}^\circ\mathrm{C}$と$30\ {}^\circ\mathrm{C}$において、この葉に光の強さが6(相対値)の光を1日のうち5時間だけ照射した。1日後、葉内の有機物(炭水化物)の量は増加するか、減少するか。それぞれ計算結果を示して答えよ。ただし転流はないものとする。(有効数字2桁)