大阪医科大学生物2012年第4問

次の文章を読み、設問に答えよ。
カダヤシ科のプラティとソードテールは、近縁な小型の魚類であり、いずれも白っぽい体色をしている。また、飼育下で雑種を作ることができる。プラティとソードテールを交雑して得られるF1では、体表に黒い斑点(黒色腫)が形成される。このF1の黒色腫は良性であり、したがってF1は生存できる。黒色腫が形成されるかどうかという形質は、互いに独立に遺伝する2種類の遺伝子によって説明できる。黒色腫の形成に関与するのは$T$遺伝子で、その対立遺伝子である$t$遺伝子は黒色腫の形成に関与しない。$T$遺伝子は$t$遺伝子に対して優性である。$R$遺伝子とその対立遺伝子である$r$遺伝子は、$T$遺伝子のはたらきによる黒色腫形成の抑制に関与している。$R$遺伝子と$r$遺伝子は不完全優性の関係にある。プラティ$($遺伝子型:$TTRR)$とソードテール(遺伝子型:$ttrr$)を交雑して得られるF1とソードテールとの交雑実験で得られる子では、体表に黒色腫を持たない個体(正常)、良性の黒色腫を形成し生存できる個体(良性)、および悪性の黒色腫を形成しすぐに死んでしまう個体(悪性)、という3通りの表現型がみられた。悪性の個体を調べたところ、それらの個体は全て$r$遺伝子のホモ接合体であった。
  • 問1 F1の遺伝子型を答えよ。
  • 問2 F1にソードテールを交雑して得られる子の遺伝子型を、分離比とともに全て答えよ。
  • 問3 F1にソードテールを交雑して得られる子の表現型の分離比を求めよ。〔正常:良性:悪性〕
  • 問4 $R$遺伝子と$r$遺伝子が不完全優性の関係にあることを実験結果から説明せよ。
  • 問5 プラティとソードテールを交雑して得られるF1どうしを交雑した場合、F2に現れる正常、良性、悪性の表現型を示す個体の遣伝子型を全て答えよ。
  • 問6 問5の交雑におけるF2の表現型の分離比はどうなると予測されるか。〔正常:良性:悪性〕