大阪医科大学化学2013年第1問

次の実験について、以下の問に答えよ。なお、気体は理想気体として扱うこと。

【実験1】鉄粉と硫黄粉末を3:2の重量比でよく混合し、試験管に移して静かに加熱した。試験管内容物が赤熱状態になったら加熱をやめ、冷却後、生成した黒色の塊Aを取り出した。Aの一部をフラスコに取り、これに希硫酸を加えると気体Bが発生した。

【実験2】Aの残りを細かく砕いた後に空気中で加熱すると、刺激臭のある気体Cが発生した。Cを純水に吸収させて得た溶液DのpHは3.0であった。この溶液Dに30%過酸化水素水を加え、よくかき混ぜた後、溶液のpHを測定したところ1.0となった。

【実験3】銅片を濃硫酸と加熱して反応させたところ、気体Cを発生しながら銅片は融解し、反応後に水を加えると着色した溶液Eを生じた。また、気体Cを炭酸ナトリウム水溶液に通じて十分に吸収させ、溶液を得た。この溶液にさらに炭酸ナトリウム水溶液を加え、溶液を濃縮し、放置したところ、無色粉末状の結晶Fが得られた。この結晶を水に溶解し、硫黄の粉末を加えて加熱して反応させ、放置したところ、無色透明な粒状の結晶Gが析出した。Gを水に溶解し、濃塩酸を加えると、気体Cが発生し、溶液は白濁した

  • 問1 物質A、B、C、Fの化学式を記せ。
  • 問2 【実験1】において、4.40gのAを用いると標準状態で何LのBが発生するか、有効数字3桁で答えよ。
  • 問3 【実験2】においてpHが変化した理由を、過酸化水素とCという言葉を用いて30字以内で答えよ。
  • 問4 溶液Dに気体Bを通じたときに観察される反応の化学反応式を記せ。
  • 問5 【実験3】において、溶液Eはどのような色を呈するか、後の選択肢より選び答えよ。また、その色の原因となっているイオンに配位している分子あるいはイオンの化学式を記せ。 色:赤褐色、淡桃色、橙色、黄色、淡緑色、青色
  • 問6 下線部の化学反応式を記せ。