大阪医科大学化学2013年第3問
リンゴ酸を少量の濃硫酸とともに加熱すると、分子内脱水反応がおき、分子式$\text{C}_4\text{H}_4\text{O}_4$で表される化合物A、B、Cが得られた。化合物A、Bは互いに幾何異性体の関係にあるが、その性質にはいくつかの違いがみられる。たとえば化合物Aの燃焼熱は化合物Bよりも$\fbox{ 1 }$。これは化合物Bのほうが化合物Aよりも生成熱が大きいためである。また水に対する溶解度は化合物Aのほうが大きい。これは化合物Aの極性が化合物Bよりも$\fbox{ 2 }$ためである。化合物A、B、Cをおだやかに加熱したところ、化合物Aは脱水し化合物Dとなったが、化合物B、Cは変化しなかった。化合物A、Bは水素を付加させると同一の化合物Eになった。化合物Dは反応性が高く、おだやかな条件下でアニリンと反応し、化合物Fが得られた。
- 問1 リンゴ酸の構造式を書け。また不斉炭素原子があれば*印を付けよ。
- 問2 化合物CとFの構造式を書け。また不斉炭素原子があれば*印を付けよ。
- 問3 化合物A、B、Cのなかで臭素水を脱色させる作用のあるものはどれか。
- 問4 $\fbox{ 1 }$、$\fbox{ 2 }$に当てはまる言葉としてふさわしい組み合わせを下から選び記号で答えよ。
- (a)1.大きい、2.大きい
- (b)1.大きい、2.小さい
- (c)1.小さい、2.大きい
- (d)1.小さい、2.小さい
- 問5 化合物Dとアニリンをそれぞれ1.00gずつ取り反応させたところ、化合物Fが1.00g得られた。この反応の収率は何%か。答えは小数第1位を四捨五入して表せ。