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大阪医科大学生物2013年第3問

生態系では、生物と無機的環境との間で窒素の循環が起こっている。大気中には体積の約80%もの窒素(N2)が含まれているが、多くの生物はこれを直接利用することはできない。しかし、根粒菌などの窒素固定細菌がN2をアンモニウムイオン(NH4+) に変え、硝化細菌がNH4+を硝酸イオン(NO3)に変える。植物はNO3を根から吸収し、道管を通じて葉の細胞に輸送して、還元酵素によってNH4+に変え、a呼吸の過程で作られた有機酸NH4+を転移させてさまざまなアミノ酸を作る。こうしてできたアミノ酸はタンパク質や核酸などの有機窒素化合物の合成に用いられる。b植物に含まれる有機窒素化合物は植食性動物に取り入れられ、その動物が捕食されることにより肉食性動物に取り入れられていく。植物や動物の枯死体・遺体・排出物などの有機窒素化合物は菌類や細菌類によって分解されNH4+になる。再び硝化細菌がNH4+NO3に変え、植物に再利用される。また、土壊中のNO3は脱窒素細菌によってN2となり大気中に放出されて窒素は循環する。

  • 問1 文章であげた生物群集は、生態系における各栄養段階の役割から3種類にわけられる。その名称をあげよ。
  • 問2 ネンジュモなどのラン藻は窒素固定もできる独立栄養生物である。独立栄養生物とはどのような性質を持った生物か。
  • 問3 根粒菌はマメ科植物の根に入り込んで根粒を作らせて利益を互いに与え合っている。このような異生物間の相互関係を何というか。また、根粒菌が植物から得ている利益とは何か。
  • 問4 土壊中のNO3は植物の根の細胞膜の膜輸送タンパク質による能動輸送によって細胞内に取り込まれる。能動輸送とは一般にどのような輪送か(A)。また、細胞膜はリン脂質分子がどのような配置をとった構造でできているかを、リン脂質分子の特徴と関連づけて述べよ(B)。
  • 問5 下線部aで細胞質基質およびミトコンドリアにおいて有機酸が合成される反応経路の名称をそれぞれあげよ。
  • 問6 下線部bのような生物間の一連のつながりを何というか。
  • 問7 ヒトはタンパク質の分解で生じる有害なNH4+を無害な成分に変えて排出している。これに関係する肝臓と腎臓のはたらきについて述べよ。