大阪医科大学化学2012年第1問

同じ物質量の酢酸とエタノールが入っているビーカーに少量の硫酸を加えた後、時々かき混ぜながら$25\ {}^\circ\mathrm{C}$で反応させた。反応液の一定量(少量)を一定時間ごとに取り、水で希釈した後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定を行ったところ、時間の経過とともに、中和に要した水酸化ナトリウム水溶液の滴下量$v$ mLが一定の値$v_1$ mLになった。
  • (1) $v=v_1$になったとき、酢酸エチルの体積は反応液全体の中で何パーセントを占めているか。有効数字を考慮して答えよ。ただし、酢酸、エタノール、酢酸エチル、水の密度$(\text{g}/\text{cm}^3)$は室温でそれぞれ1.1、0.80、0.90、1.0として求めよ。この反応の$25\ {}^\circ\mathrm{C}$での平衡定数$K$は4.0である。また、混合による各物質の体積変化は起こらないものとする。
  • (2) 反応を始めた時の$v$を$v_0$ mLとすると、滴下量が$\dfrac{v_0+v_1}{2}$ mLになった時、酢酸エチルの物質量は酢酸の物質量の何倍になるかを答えよ。ただし、中和滴定のために液を取った後の反応液の液量に変化は無いものとする。
  • (3) 平衡状態にある上記反応液に少量の無水酢酸を加えると、酢酸エチルの物質量はどう変化するか。以下の記号で答えよ。
    • (ア) 減少する
    • (イ) 変化しない
    • (ウ) 増加する
  • (4) 無水酢酸の加水分解の反応の平衡定数$K_1$はどのように表すことができるか。関係する物質の濃度を、例に示したように示性式を[ ]で囲んで示せ。 例$[\text{C}\text{H}_3\text{OH}]$
  • (5) 無水酢酸を加えて平衡状態になった時に、次の反応の平衡定数を$K$、$K_1$を使って示せ。 \[\text{無水酢酸}+\text{エタノール}\leftrightarrows\text{酢酸エチル}+\text{酢酸}\]