大阪医科大学化学2012年第2問

化合物Aは炭素および水素から構成され分子量は110であり炭素鎖に枝分かれのない直鎖構造を持つ。55 mgの化合物Aを完全燃焼させると二酸化炭素176 mgと水63 mgが得られた。また、(a)化合物Aに臭素を作用させたところ、付加反応が起こり化合物Bが生じた。化合物Bは不斉炭素原子を持つ。さらに、化合物Aをオゾン分解すると化合物Cおよび化合物Dのみが得られた。化合物C、Dはいずれもフェーリング液を還元して(b)赤色沈殿を生じた。化合物Cは(c)ヨードホルム反応が陽性であったが、化合物Dは陰性であった。
オゾン分解とは、以下に示すように、オゾンと反応させた後、亜鉛で還元させることにより炭素-炭素二重結合を開裂させ、カルボニル化合物を生成する反応である。
osakaika-2012-chemistry-2-1
  • (1) 化合物Aの分子式を答えよ。
  • (2) 化合物A、C、Dの構造式を答えよ。ただしシス-トランス異性体は考慮しなくてよい。
  • (3)下線部(a)について、1.0 gの化合物Aを完全に臭素と反応させるには何 gの臭素が必要か。答えは小数第2位を四捨五入して記せ。また、この反応で臭素が消費されたことを確認する方法を述べよ。
  • (4) 下線部(b)の赤色沈殿の化学式を記せ。
  • (5) 化合物Cを用いた下線部(c)の化学反応式を書け。
  • (6) 化合物Aの可能な構造をシス-トランス異性体を考慮してすべて書け。