埼玉医科大学物理2012年第2問

次の文章を読み、下の問い(問1~5)に答えよ。

断熱性のピストンと断熱性の側面を持つシリンダーに理想気体が1 〔mol〕入っており、底面から熱を授受できるようになっている (図2)。この装置に次の4つの過程を順次おこなう。初めの温度を$T_1$ 〔K〕とする。

  • Ⅰ:体積を一定に保ちながら、熱を与えて温度を$T_2$ 〔K〕まで上 げる。
  • Ⅱ:圧力を一定に保ちながら、熱を与えて温度を$T_3$ [K〕まで上げる。
  • Ⅲ:体積を一定に保ちながら、熱を奪って圧力を初めの値まで下げる。このときの温度を$T_4$ 〔K〕とする。
  • Ⅳ:圧力を一定に保ちながら、熱を奪って体積を初めの値まで下げる。すべての過程は平衡を保ちながら十分ゆっくり行われるものとする。
気体定数を$R$ 〔$\text{J}/(\text{mol}\cdot\text{K})$〕とし、この気体の定積モル比熱を$C_\text{v}$ 〔$\text{J}/(\text{mol}\cdot\text{K})$〕とする。
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  • 問1 Ⅰの過程で装置が受け取る熱は$\fbox{15}$ 〔J〕、理想気体の内部エネルギーの増加は$\fbox{16}$ 〔J〕、ピストンを通して装置が外部にする仕事は$\fbox{17}$ [J〕である。$\fbox{15}$~$\fbox{17}$に入る式として最も適切なものを、次の(1)~(9)のうちからそれぞれ1つずつ選べ。同じものを繰り返し選んでもよい。
    • (1) $C_\text{v}(T_1-T_2)$
    • (2) $R(T_1-T_2)$
    • (3) $(C_\text{v}+R)(T_1-T_2)$
    • (4) $(C_\text{v}-R)(T_1-T_2)$
    • (5) $C_\text{v}(T_2-T_1)$
    • (6) $R(T_2-T_1)$
    • (7) $(C_\text{v}+R)(T_2-T_1)$
    • (8) $(C_\text{v}-R)(T_2-T_1)$
    • (9) $0$
  • 問2 Ⅱの過程で装置が受け取る熱は$\fbox{18}$ 〔J〕、理想気体の内部エネルギーの増加は$\fbox{19}$ 〔J〕、ピストンを通して装置が外部にする仕事は$\fbox{20}$ 〔J〕である。$\fbox{18}$~$\fbox{20}$に入る式として最も適切なものを、次の(1)~(9)のうちからそれぞれ1つずつ選べ。同じものを繰り返し選んでもよい。
    • (1) $C_\text{v}(T_2-T_3)$
    • (2) $R(T_2-T_3)$
    • (3) $(C_\text{v}+R)(T_2-T_3)$
    • (4) $(C_\text{v}-R)(T_2-T_3)$
    • (5) $C\text{v}(T_3-T_2)$
    • (6) $R(T_3-T_2)$
    • (7) $(C_\text{v}+R)(T_3-T_2)$
    • (8) $(C_\text{v}-R)(T_3-T_2)$
    • (9) $0$
  • 問3 Ⅰ~Ⅳの過程を終了後、装置の状態はもとにもどるが、この全過程で装置が受け取る熱は$\fbox{21}$ 〔J〕、理想気体の内部エネルギーの増加は$\fbox{22}$ 〔J〕、ピストンを通して装置が外部にする仕事は$\fbox{23}$ 〔J〕である。$\fbox{21}$~$\fbox{23}$に入る式として最も適切なものを、次の(1)~(9)のうちからそれぞれ1つずつ選べ。同じものを繰り返し選んでもよい。
    • (1) $C_\text{v}(T_1-T_2+T_3-T_4)$
    • (2) $R(T_1-T_2+T_3-T_4)$
    • (3) $(C_\text{v}+R)(T_1-T_2+T_3-T_4)$
    • (4) $(C_\text{v}-R)(T_1-T_2+T_3-T_4)$
    • (5) $C_\text{v}(T_3+T_4-T_1-T_2)$
    • (6) $R(T_3+T_4-T_1-T_2)$
    • (7) $(C_\text{v}+R)(T_3+T_4-T_1-T_2)$
    • (8) $(C_\text{v}-R)(T_3+T_4-T_1-T_2)$
    • (9) $0$
  • 問4 次の各量の時間経過を表したグラフの形として最も適切なものを、図3の(1)~(5)のうちからそれぞれ1つずつ選べ。同じものを繰り返し選んでもよい。ただし、図3の折れ線は時間を横軸とし、各量を縦軸とするグラフであり、熱量と仕事は初めからの合計を表すものとする。
    • 理想気体の体積$\fbox{24}$
    • 理想気体の圧力$\fbox{25}$
    • 理想気体の温度$\fbox{26}$
    • 装置が受け取る熱量$\fbox{27}$
    • 理想気体の内部エネルギー$\fbox{28}$
    • 装置が外部に対してする仕事$\fbox{29}$
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  • 問5 Ⅰ~Ⅳの過程を終了後、装置の状態はもとに戻るが、外界 (装置の外部) は熱と仕事を授受しただけでなく、外界の中で熱の移動があったと考えられるので、外界は元の状態に戻ったとは言えない。問1からここまでの考察の結論として最も適切なものを、次の(1)~(7)のうちから1つ選べ。$\fbox{30}$
    • (1) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、無からエネルギーを生み出して仕事をし た。
    • (2) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、熱エネルギーが仕事に変換された。
    • (3) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、内部エネルギーが仕事に変換された。
    • (4) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、仕事が熱エネルギーに変換された。
    • (5) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、仕事が内部エネルギーに変換された。
    • (6) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、熱エネルギーが内部エネルギーと仕事に変換された。
    • (7) Ⅰ~Ⅳの過程の結果として、内部エネルギーが熱エネルギーと仕事に変換された。