産業医科大学生物2013年第3問

次の文章を読み、設問に答えなさい。

ウニの受精卵の発生を観察した。受精後約1時間半で第1回の卵割が起こり、その後はほぼ30分おきに卵割が起こった。3回目の卵割が起こった後では細胞の数は8個になった(8細胞期)

16細胞期になる時には卵割面が変化し、割球に大・中・小の違いが現れた。このような変化は、1個の受精卵から出発した細胞が多様な細胞に分化する過程の一段階である。この胚を用いて以下の実験Ⅰ~Ⅲを行い、正常胚の原腸胚に相当する時期まで発生させた。その結果できた胚の断面を正常胚の例とともに以下に示す。ただし、受精膜や繊毛などは省略した。

sangyoika-2013-biology-3-1

〔実験Ⅰ〕中割球8個を分離して発生させると、内部に空隙のある細胞塊ができた。

sangyoika-2013-biology-3-2

〔実験Ⅱ〕16細胞期の胚の動物極に、同じ時期の他の胚から分離した小割球を移植して発生させた。移植した小割球には識別のために色素を注入しておいた。原腸胚期になると、移植を受けた胚の動物極側に新たな構造が形成された。

sangyoika-2013-biology-3-3

〔実験Ⅲ〕16細胞期の胚から小割球を除去して発生させると、正常胚の原腸胚期とよく似た構造が形成された。ただし構造ができるまでの時間は正常胚より長くかかった。

sangyoika-2013-biology-3-4
  • 1.図の(ア)~(ウ)の名称を答えなさい。
  • 2.卵割の説明について次の(A)~(F)から正しいものを全て選び、記号で答えなさい。
    • (A) 間期にDNAの合成が起こらない
    • (B) G1期が存在しない
    • (C) 分裂期に紡錘体の形成が行われない
    • (D) 分裂期には染色体は染色分体ごとにわかれて新しい細胞に移動する
    • (E) 分裂期には相同染色体が別々に新しい細胞に分配されていく
    • (F) 分裂が進むと細胞核内の遺伝子の構成に変化が生じる
  • 3.下線部の時期まで卵割の形式は全割で、割球の大きさはほぼ同じである。このような卵割を起こす卵にはどのような特徴があるか答えなさい。
  • 4.正常胚と実験Ⅰ、Ⅱの結果から、小割球は原腸胚までの発生に対してどのような役割をもっていると考えられるか答えなさい。
  • 5. 設問4で答えた内容と実験Ⅲの結果を考え合わせ、小割球除去後にも正常胚と似た構造ができたのはなぜか、答えなさい。