聖マリアンナ医科大学生物2013年第4問

次の文章を読んで、以下の質問に答えなさい。

緑色植物における光合成は、葉緑体の( 1 )で起こる反応と( 2 )で超こる反応に分けることができる。( 1 )では、光エネルギーを吸収し、$\text{ATP}$や還元型補酵素$(\text{X}\cdot2[\text{H}])$を産生する反応が進む。( 2 )では、これらの物質を用いてカルビン・ベンソン回路により二酸化炭素を固定する反応が進む(図1)。

野外では多くの場合、植物は群落を形成している。太陽の直射光が葉に当たれば、その葉の光合成は多くの場合、光飽和の状態になるが、植物群落内においては個々の植物が生長すると葉の重なりが多くなり、群落内の下層ほど受光量が低下する。このことが植物群落内における光合成器官と非光合成器官の垂直的な分布に影響を及ぼす。

  • 〔1〕文中の空欄( 1 )および( 2 )に入る適切な語を答えなさい。
  • 〔2〕下の図1は、カルビン・ベンソン回路の概要を示したものである。また、図2は、植物に様々な条件で光合成を行わせ、図1に示した反応のホスホグリセリン酸$(\text{PGA})$とリブロース2リン酸$(\text{RuBP})$の量の経時的変化を観察した結果である。ただし、実線は$\text{PGA}$、破線は$\text{RuBP}$の量の変化であり、t2以降の記録は空欄になっている。
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    • 1) 図1で、二酸化炭素がカルビン・ベンソン回路に取り込まれ、$\text{C6}$化合物が1分子生成されるとき、図中の(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)はそれぞれ何分子か、整数で答えなさい。
    • 2) 図2のt1の時点で光照射をやめ暗条件下にした。そのとき、$\text{PGA}$が増加し、$\text{RuBP}$が減少した。これは何故か、その理由を説明しなさい。
    • 3) 図2のt2の時点で二酸化炭素の供給を遮断した。この後$\text{RuBP}$量、および$\text{PGA}$量はどのように変化するか、回答欄に増加、減少、変化しない、のいずれかをそれぞれ答えなさい。
  • 〔3〕下の図3は、温度と二酸化炭素濃度が限定要因にならないような一定の条件下で、光の強さを変えたときの、ある植物の二酸化炭素吸収量[mg/(100 cm2・時)]を示したものである(負の値は放出量を意味する)。
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    • 1) 光飽和とはどのような状態か、説明しなさい。
    • 2) 図3の点Aにおいて、見かけ上二酸化炭素吸収量が0になるのは何故か、簡潔に述べなさい。
    • 3) 面積400 cm2の葉に40000ルクスの光を12時間照射したとき、光合成によってグルコースが何 mg産生されたか答えなさい。ただし、光合成に用いられた二酸化炭素は全てグルコースになるものとする。原子量は$\text{C}=12$、$\text{H}=1$、$\text{O}=16$とし、小数第1位まで求めなさい。
  • 〔4〕植物群落内の葉(光合成器官)や茎・花など(非光合成器官)の分布を高さ別に調べたものを生産構造図という。図4はある植物AとBの群落について調べた生産構造図である。
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    • 1) 植物AとBには形態的にそれぞれどのような特徴がみられるか、葉の形態とつき方について説明しなさい。
    • 2) 植物Aの群落の下層では光合成器官が枯死脱落している。このことによって群落全体の物質生産の効率が上がると考えられるが、その理由を説明しなさい。