昭和大学生物2012年第2問
呼吸、ミトコンドリア、発酵に関する以下の文章を読んで質問に答えなさい。
- (1) 酵母菌と乳酸菌はともに単細胞生物であるが、酵母菌は核膜に囲まれた核を持ち( ア )核生物とよばれ。乳酸菌は核膜がない核を持ち( イ )核生物とよばれる。酵母菌は核の他にATPを産生するミトコンドリアとよばれる細胞小器官をもつ。ミトコンドリアは( ウ )と( エ )の2つの膜に囲まれており、ATP生産を触媒する酵素や電子伝達系タンパク質は( エ )に存在する。またミトコンドリアには( エ )が内部に突き出したひだ状の構造があり、( オ )と呼ばれている。
- 問1 上記( ア )~( オ )に適切な語句を入れなさい。
- (2) ミトコンドリアは酵母菌以外の動物細胞、植物細胞にもあり、内部に独自のDNAを持っている。さらに植物細胞では( カ )にもDNAが存在する。現在、ミトコンドリアと( カ )は( ア )核生物に似た核を持つ祖先細胞に取り込まれた( イ )核生物に由来すると考えられている。(A) 取り込まれた( イ )核生物がもともと持っていたDNAの殆どは進化の過程で失われ、ミトコンドリアや( 力 )になったものと考えられる。ミトコンドリアや( 力 )のDNAは核のDNAとは独立して遺伝する。さらに、(B) ヒトではミトコンドリアDNAは母親由来のミトコンドリアDNAしか子供には伝わらない母性遺伝で子孫に伝わる。この遺伝形式はヒトの集団の起源を調べるのに有用とされ、その結果ヒトは10数万年前にアフリカに居た女性を共通の祖先とする論文が発表された。
- 問2 ( カ )に適切な語句を入れなさい。
- 問3 下線部Aに関して、進化の過程で殆どの遺伝子が失われていった理由は何か、15字以内で書きなさい。
- 問4 ミトコンドリアへと進化した( イ )核生物はもともとどのような特徴を持つていたのか、15字以内で書きなさい。
- 問5 下線部Bに関して、ミトコンドリアDNAを用いた解析では母方の遺伝情報をたどることは出来るが、父系の系統は判らない。父系の系統を調べる為にはどのようなサンブルを用いればよいか、書きなさい。
- (3) 酵母菌や乳酸菌は酸素が少ないときは、発酵とよばれる方法でATPを産生することができる。即ち、1分子のグルコースが2分子の( キ )に分解され、この過程でATPが産生される。(C) さらに酵母菌では( キ )は( ク )と二酸化炭素に、乳酸菌では乳酸に変えられる。
- 問6 上記( キ )、( ク )に適当な語句を入れなさい。
- 問7 下線部Cの過程はATPの産生は行われないが、ATPの産生効率をよくする為に必要である。その理由を60字以内で書きなさい。