東邦大学生物2012年第3問

骨格筋の収縮に関する以下の文を読み、問11~16に答えよ。

脊髄の運動二ユーロンの軸索を伝わる興奮が、その軸索末端まで伝導されると、末端部のシナプスに存在するシナプス小胞から$\fbox{ア}$という神経伝達物質が、シナプスと筋の接合部の狭いすき間に放出される。この神経伝達物質が、筋細胞表面にある受容体に結合することにより、$\fbox{イ}$イオンが筋細胞内に流入し、筋細胞膜が興奮する。この興奮が筋原繊維をとりまく筋小胞体に伝わり、その中に貯蔵されていた$\fbox{ウ}$イオンが放出され、筋原繊維を構成する細い$\fbox{エ}$フィラメントと太い$\fbox{オ}$フィラメントとの相互作用をひきおこし、筋収縮がおこる。

筋収縮に関する以下の3つの実験を行った。

  • (実験1) 力エルの下肢の筋に神経をつけた状態の標本(神経筋標本)を、図2のように準備した。Aは筋から30 mm、Bは70 mm離れている。AとBの電気刺激によって得られた結果は図3のようになった。なお、音さは1秒間に1,000回振動する。
  • (実験2) 電気刺激の頻度を1回刺激から2回刺激へと増加させて反応を記録した。
  • (実験3) 神経筋標本全体をリンカー液に浸し、神経を刺激して反応を記録したところ、図4Aの結果が得られた。リンカー液をある薬物を含む液体に変えて記録したところ、図4Bのような結果となった。同じ液体に浸した筋を、直接電気制激したところ、図4Cの結果が得られた。
toho-2012-biology-3-1
toho-2012-biology-3-2
toho-2012-biology-3-3
  • 問11 $\fbox{ア}$~$\fbox{オ}$、に当てはまるものをそれぞれ選べ。
      • ア:
      • a. アセチルコリン
      • b. アドレナリン
      • c. クレアチン
      • d. ノルアドレナリン
      • e. ミオグロビン
      • イ:
      • a. 塩 素
      • b. カリウム
      • c. カルシウム
      • d. ナトリウム
      • e. マグネシウム
      • ウ:
      • a. 塩 素
      • b. カリウム
      • c. カルシウム
      • d. ナトリウム
      • e. マグネシウム
      • 工:
      • a. アクチン
      • b. キネシン
      • c. ダイニン
      • d. チューブリン
      • e. ミオシン
      • 工:
      • a. アクチン
      • b. キネシン
      • c. ダイニン
      • d. チューブリン
      • e. ミオシン
  • 問12 この神経の伝導速度(m/秒)を求めよ。
    • 百の位(1)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
    • 十の位(2)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
    • ーの位(3)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
  • 問13 神経末端まで興奮が伝えられてから、筋が収縮するまでの時間(ミリ秒)を求めよ。
    • 一の位(1)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
    • 小数点以下一位(2)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
    • 小数点以下二位(3)
      • a. 1
      • b. 2
      • c. 3
      • d. 4
      • e. 5
      • f. 6
      • g. 7
      • h. 8
      • i. 9
      • j. 0
  • 問14 筋繊維の異なる部分の積断面を描いた模式図を図5X、Yに示す。筋収縮時にはX、Yの断面をもつ部分の長さは、筋弛緩時と比較してどうなるか。正しい組合せを選べ。
    toho-2012-biology-3-4
    • a. X:長くなる、Y:長くなる
    • b. X:長くなる、Y:短くなる
    • c. X:長くなる、Y:変わらない
    • d. X:短くなる、Y:長くなる
    • e. X:短くなる、Y:短くなる
    • f. X:短くなる、Y:変わらない
    • g. X:変わらない、Y:長くなる
    • h. X:変わらない、Y:短くなる
    • i. X:変わらない、Y:変わらない
  • 問15 実験2で得られる結果として適切なのはどれか、ただし図6には1回刺激での反応を示す。
    toho-2012-biology-3-5
    toho-2012-biology-3-6
  • 問16 実験3より、この薬物の作用部位として、どこが考えられるか。考えられるものをすべて選べ。
    • a. 筋小胞体
    • b. シナプス
    • c. 受容体
    • d. 神経機維
    • e. 太いフィラメント
    • f. 細いフィラメント