東邦大学化学2012年第2問
(A)~(C)の記述を読み. 各問いの解答を一つ選べ。
(A) 過酸化水素水に過マンガン酸カリウムの硫酸酸性溶液を加えると\eqref{aa}式のように反応する。過酸化水素水にヨウ化カリウムの硫酸酸性溶液を加えると\eqref{ab}式のように反応する。また、過酸化水素水に二酸化硫黄水溶液や塩素水溶液を加えると、それぞれ、(3)式および(4)式のように反応する。ただし、(3)式と(4)式については記載を省略する。 \[2{\text{MnO}_4}^-+(ア)\text{H}_2\text{O}_2+(イ)\text{H}^+\rightarrow 2\text{Mn}^{2+}+(ウ)\text{O}_2+(エ)\text{H}_2\text{O}\tag{1}\label{aa}\] \[2\text{I}^-+(オ)\text{H}_2\text{O}_2+(カ)\text{H}^+\rightarrow(キ)\text{I}_2+(ク)\text{H}_2\text{O}\tag{2}\label{ab}\]問35 過酸化水素、二酸化硫黄、塩素の酸化剤としての強さの順序を正しく示しているのはどれか。
(B) 市販の過酸化水素水10.0 mLに水を加えて50 mLとし、その10.0 mLをコニカルビーカ一にとり硫酸を加えて酸性にした。この溶液を0.10 mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液で滴定すると7.00 mL加えたとき終点に達した。
(A) 過酸化水素水に過マンガン酸カリウムの硫酸酸性溶液を加えると\eqref{aa}式のように反応する。過酸化水素水にヨウ化カリウムの硫酸酸性溶液を加えると\eqref{ab}式のように反応する。また、過酸化水素水に二酸化硫黄水溶液や塩素水溶液を加えると、それぞれ、(3)式および(4)式のように反応する。ただし、(3)式と(4)式については記載を省略する。 \[2{\text{MnO}_4}^-+(ア)\text{H}_2\text{O}_2+(イ)\text{H}^+\rightarrow 2\text{Mn}^{2+}+(ウ)\text{O}_2+(エ)\text{H}_2\text{O}\tag{1}\label{aa}\] \[2\text{I}^-+(オ)\text{H}_2\text{O}_2+(カ)\text{H}^+\rightarrow(キ)\text{I}_2+(ク)\text{H}_2\text{O}\tag{2}\label{ab}\]
- 問31 \eqref{aa}式の係数(ア)と(ウ)について、正しい組合せはどれか。
- a. (ア)=1、(ウ)=1
- b. (ア)=3、(ウ)=2
- c. (ア)=5、(ウ)=3
- d. (ア)=1、(ウ)=3
- e. (ア)=3、(ウ)=4
- f. (ア)=5、(ウ)=5
- 問32 \eqref{ab}式の係数(オ)と(ク)について、正しい組合せはどれか。
- a. (オ)=1、(ク)=1
- b. (オ)=3、(ク)=2
- c. (オ)=5、(ク)=3
- d. (オ)=1、(ク)=3
- e. (オ)=3、(ク)=4
- f. (オ)=5、(ク)=5
- 問33 過酸化水素の働きが\eqref{aa}式と同じ反応はどれか。
- a. (2)式
- b. (3)式
- c. (4)式
- d. (2)と(3)式
- e. (2)と(4)式
- f. (3)と(4)式
- 問34 (3)式における反応後の硫黄の酸化数はどれか。
- a.+8
- b. +6
- c. +5
- d. +2
- e. 0
f. -2
- a. 過酸化水素$\gt$二酸化硫黄$\gt$塩 素
- b. 過酸化水素$\gt$塩 素$\gt$二酸化硫黄
- c. 二酸化硫黄$\gt$過酸化水素$\gt$塩 素
- d. 二酸化硫黄$\gt$塩 素$\gt$過酸化水素
- e. 塩 素$\gt$過酸化水素$\gt$二酸化硫黄
- f. 塩 素$\gt$二酸化硫黄$\gt$過酸化水素
- 問36 市販の過酸化水素水の濃度(mol/L)として最も適当な数値はどれか。
- a. 8.8×10-1
- b. 3.5×10-1
- c. 1.5×10-1
- d. 9.5×10-2
- e. 7.0×10-2
- f. 3.5×10-2
- 問37 滴定の終点を知る方法として最も適当なのはどれか。
- a. メチルオレンジを指示薬として加え、水溶液の色が赤から黄色に変化したときを終点とする。
- b. フェノールフタレインを指示薬として加え、水溶液の色が無色からわずかに赤色に変化したときを終点とする。
- c. 特に指示薬は加えず、溶液の色が無色からうすい赤紫色になったときを終点とする。
- d. 特に指示薬は加えず、溶液の色が赤紫色から無色に変化したときを終点とする。
- e. 透明な水溶液が固体の生成によりわずかに白濁したときを終点とする。
- f. 透明な水溶液がピンク色の固体の生成によりわずかに赤みがかったときを終点とする。
- 問38 過酸化水素の質量パーセント濃度(%)として最も適当な数値はどれか。ただし、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)は酸化されるとNa2S4O6になる。
- a. 1.0
- b. 1.9
- c. 3.0
- d. 4.1
- e. 5.2
- f. 6.4
- 問39 この滴定でヨウ化カリウムのかわりに塩化カリウムを用いることはできない。この理由として最も適当な記述はどれか。
- a. 滴定の過程で有毒な塩素が発生するため。
- b. 滴定の過程で塩化水素が発生するため。
- c. 滴定の終点がわかりにくいため。
- d. 過酸化水素と激しく反応し発熱するため。
- e. 過酸化水素を還元できないため。
- f. 水に対する溶解度が低いため。
- 問40 過酸化水素の性質に関する記述で誤っているのはどれか。
- a. 常温では無色の液体で水より酸性が強い。
- b. 水溶液に少量の酸化マンガン$(\text{I}\hspace{-.1em}\text{V})$を加えると酸素を発生する。
- c. 約3%の水溶液はオキシフルまたはオキシドールとよばれ、消毒薬として用いられる。
- d. 生体では酵素カタラーゼによって酸素と水に分解される。
- e. 硫化水素と反応し硫酸を生成する。
- f . 不安定で放置しておくと徐々に分解し水と酸素になる。