東邦大学化学2012年第3問

(1)、(2)の記述を読み、各問いの解答を一つ選べ。
(1) 化合物Aは炭素、水素、酸素からなる2価の酸である。化合物Aを34.8 mgとり酸素を通じて完全燃焼させると二酸化炭素52.8 mgと水10.8 mgが生じた。また、化合物Aを290 mgとり、その水溶液をフェノールフタレインを指示薬として0.100 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和したところ50.0 mLを要した。化合物Aには幾何異性体Bが存在する。Bを加熱すると脱水反応が起こり環状化合物Cが生成した。
  • 問41 34.8 mgの化合物Aに含まれる酸素の質量(mg)として最も近い数値はどれか。
    • a. 14.4
    • b. 15.6
    • c. 16.6
    • d. 19.2
    • e. 20.4
    • f. 22.8
  • 問42 化合物Aの分子式として正しいのはどれか。
    • a. $\text{C}_2\text{H}_2\text{O}_4$
    • b. $\text{C}_2\text{H}_4\text{O}_4$
    • c. $\text{C}_4\text{H}_4\text{O}_4$
    • d. $\text{C}_4\text{H}_6\text{O}_4$
    • e. $\text{C}_6\text{H}_6\text{O}_4$
    • f. $\text{C}_8\text{H}_6\text{O}_4$
  • 問43 化合物Bの名称として正しいのはどれか。
    • a. マレイン酸
    • b. コハク酸
    • c. マロン酸
    • d. シュウ酸
    • e. フタル酸
    • f. フマル酸
  • 問44 環を構成する原子の数が化合物Cと同じのはどれか。
    • a. トルエン
    • b. アスコルピン酸
    • c. α―グルコース
    • d. 工チレンオキシド
    • e. $\varepsilon$―カプロラクタム
    • f. シトシン
  • 問45 化合物Cと同じ官能基をもつ化合物はどれか。
    • a. 安息香酸
    • b. アセトアニリド
    • c. アセトアミド
    • d. ポリエチレンテレフタラート
    • e. シクロペンタノン
    • f. 無水酢酸
(2) 油脂Dは(1) グリセリンと2極類の不飽和脂肪酸EとFとのエステルである。油脂Dの2.65 gを加水分解するのに504 mgの水酸化カリウムを要した。このとき不飽和脂肪酸EとFがモル比1:2で生成した。また、1.00 gの油脂Dは1.15 gのヨウ素と反応した。油脂Dに触媒を加え、水素ガスを通じながら加熱すると(2) 性状に変化が観測された。なお、油脂Dには不斉炭素原子が存在する。
  • 問46 油脂Dの分子量に最も近い数値はどれか。
    • a. 780
    • b. 800
    • c. 820
    • d. 850
    • e. 880
    • f. 910
  • 問47 不飽和脂肪酸Eの名称として正しいのはどれか。
    • a. リノール酸
    • b. リノレン酸
    • c. ステアリン酸
    • d. パルミチン酸
    • e. オレイン酸
    • f. ミリスチン酸
  • 問48 1.00 gの油脂Dと反応する水素ガスの標準状態における体積(mL)として最も近い数値はどれか。
    • a. 80
    • b. 100
    • c. 120
    • d. 140
    • e. 160
    • f. 180
  • 問49 油脂Dの構造に関する(ア)~(オ)の記述で、正しい組合せはどれか、ただし、油脂Dの構造異性体はいずれも下線部(1)の条件を満たしているものとする。
    • (ア) 油脂Dと構造異性体の関係にある油脂が1種類存在する。
    • (イ) 汕脂Dと構造異性体の関係にある油脂が2種類存在する。
    • (ウ) 油脂Dと構造異性体の関係にある油脂が3種類存在する。
    • (エ) 油脂Dの構造式は決定できない。
    • (オ) 油脂Dの構造式は決定できる。
    • a. (ア)と(エ)
    • b. (ア)と(オ)
    • c. (イ)と(エ)
    • d. (イ)と(オ)
    • e. (ウ)と(エ)
    • f. (ウ)と(オ)
  • 問50 下線部(2)の性状変化を正しく記述しているのはどれか。
    • a. 無色から褐色に変化した。
    • b. 酸性が強まった。
    • c. 融点が上がった。
    • d. 分解して二層に分離した。
    • e. 悪臭を呈した。
    • f. 水溶性になった。