東邦大学生物2013年第2問

ニワトリの翼の発生に関する以下の文を読み、問23~27に答えよ。
(文1)

ニワトリの翼(前肢)と後肢は、それぞれ翼芽と肢芽と呼ばれる体表に生じた隆起から発生する。翼芽と肢芽は$\fbox{A}$組織とそれをおおう表層の$\fbox{B}$組織の2層から構成され、A組織には後端部に位置するZPA領域が見られる。また、B組織は肥厚してAERと呼ばれる。正常な翼の骨格では前方から3本の指が形成される(図4)。以下、これらの指は前方から第2、3、4指として表す。

翼芽の発生について調べるために以下の実験1~4を行い、形成された骨格を観察した。

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  • 問23 A組織とB組織が由来する胚葉はどれか。それぞれ選べ。
    • A組織:$\fbox{ア}$
    • B組織:$\fbox{イ}$
    • a.内胚葉
    • b.中胚葉
    • c.外胚葉
  • 問24 図4のCとDの組合せで正しいのはどれか。
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(実験1)肢芽のA組織中に存在する大腿形成予定部位(E)を、同時期の翼芽先端部のAER直下に移植した。その結果、図5に示すように末端部にけづめのある足指が形成された。

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(実験2)翼芽形成期の初期と後期の翼芽からAERを切除した。その結果、図6に示すように不完全な翼が形成された。

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  • 問25 実験1と2から考えられることで適切なのはどれか。2つ選べ。
    • a.移植片(E)はすでに後肢の構成成分になることが決定している。
    • b.翼芽のA組織のみで翼のすべての構造を形成できる。
    • c.翼芽のAERは各発生段階で翼の成長に関係する。
    • d.翼芽のAERが翼の構成成分を順次誘導している。
    • e.翼芽のAERはA組織が翼になることを決定する。

(実験3)他の個体の翼芽のZPAを翼芽前端部のB組織直下へ移植した。その結果、図7に示すように鏡像の過剰指が形成された。

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(実験4)ZPAでは指の誘導物質であるソニックヘッジホッグタンパク質(SHH)の濃度が高いことが知られている。さまざまな濃度のSHHを樹脂(ア~エ)に含ませて翼芽前端部のB組織直下へ移植した(図8)。この樹脂からは徐々に周囲の組織へSHHがしみだす。その結果、表3に示すようにさまざまなパターンの指が形成された。

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表3 実験4の結果
SHHを含む
樹脂
指のパターン
(前方から)
2234
3334
234
4334
  • 問26 実験4の樹脂に含まれるSHH濃度が低いものから順に並べた。正しいのはどれか。
    • a.ア-イ-ウ-エ
    • b.ア-ウ-エ-イ
    • C.イ-エ-ア-ウ
    • d.イ-ア-ウ-エ
    • e.ウ-ア-イ-エ
    • f.ウ-イ-エ-ア
    • g.エ-イ-ア-ウ
    • h.エ-イ-ウ-ア
  • 問27 正常なZPAはそのままで、他の個体のZPAの組織を翼芽先端部のAER直下に移植した場合、予想される指のパターンはどれか。2つ選べ。
    • a.23332
    • b.23432
    • c.23434
    • d.234434
    • e.32423
    • f.43234
    • g.434434