東邦大学物理2012年第6問
次の波に関する問15から問18に答えよ。
- 問15 振動数$f$の音をある長さの開管に送ったところ、生じた音の定常波の腹の数は$n$であった。次に、この開管の一方の端をふさいで閉管に作りかえた。この閉管にある振動数の音を入れたところ、生じた音の定常波の腹の数は$m$であった。この音の振動数はいくらか。ただし、ここでは開口端にできる腹も数えるものとする。
- a. $\dfrac{m-1}{2(n-1)}f$
- b. $\dfrac{2m-1}{2(n-1)}f$
- c. $\dfrac{m-1}{2n-1}f$
- d. $\dfrac{2m-1}{2n-1}f$
- e. $\dfrac{m-1}{2n}f$
- f. $\dfrac{2m-1}{2n}f$
- 問16 図のように、頂角30°のプリズムの一方の面に垂直に入射した光線が、他方の面から振れ角15°で出た。このプリズムのガラスの屈折率はいくらか。値が最も近いのを選べ。ただし、空気の屈折率を1.0とする。
- a. 1.2
- b. 1.3
- c. 1.4
- d. 1.5
- e. 1.6
- f. 1.7
- 問17 ある凸レンズの前方30cmの位置に物体を置いたとき、後方のスクリーンに実像ができた。物体とスクリーンの位置は変えず、凸レンズだけをスクリーンの側に40cm移動したときにもスクリーンに実像が映った。この凸レンズの焦点距離はいくらか、最も値が近いのを選べ。
- a. 17cm
- b. 21cm
- c. 23cm
- d. 25cm
- e. 28cm
- f. 31cm
- 問18 次の文章のうち正しいのを選べ。
- a. 音は音源近くの媒質の密度変化が周囲に疎密波として伝わっていく現象であり、音が媒質を伝わっているとき、媒質の振動方向は音の進行方向と一致している。また、音は媒質が気体、液体、固体のどれであっても伝わることができるが、真空中は伝わらない。
- b. 晴れた冬の夜、遠くの音がよく聞こえることがある。夜になると放射冷却により地表近くの空気の温度が上空の空気の温度よりも低くなるため、音速は地表近くよりも上空の方が遅くなる。このため地上の音源から斜めに上空に向かった音は地表に向かって屈折し、遠くに達するのである。
- c. 真空中ではどんな色の光も同じ速さで進むが、物質中では光の色によりその速さが異なっており、その速さは真空中のそれよりも小さい。したがって、同じ色の光でもその振動数は真空中よりも物質中の方が小さい。
- d. 太陽や白熱電球の光のような自然光はあらゆる方向に振動する光が混ざり合っている。一方、ガラス面や水面で反射した光は振動方向がある方向に偏っている。このような光を偏光という。反射光を避けて窓ガラスの内部や水中を見やすくするには偏光板の機能を持つサングラスを使うとよい。
- e. 光が大気中の微粒子や分子にあたると光の一部はそれらを中心としてあらゆる方向に散乱される。そして、波長の長い赤い光は波長の短い青い光よりも散乱されやすい。夕日が赤く色づいて見えるのは、光が大気層を通過するとき赤い光は強く散乱され、散乱されにくい青い光よりも多く目に入るからである。