東海大学生物2013年第4問

次の文章を読んで、各問いに答えなさい。

植物や動物はおもに糖質や脂質を呼吸基質としている。グルコースを呼吸基質とした場合、呼吸全体の化学反応式は、 \[\text{C}_6\text{H}_{12}\text{O}_6+\text{6O}_2\longrightarrow\text{6H}_2\text{O}+\text{6CO}_2\] となる。発生する二酸化炭素と吸収した酸素の標準状態での体積比(比の値)([$\text{CO}_2$の体積]/[ $\text{O}_2$の体積])を( 1 )という。グルコースなど糖質を呼吸基質とした場合、その値は( 2 )になる。一方、脂質やタンパク質は糖質と比較すると分子を構成する炭素原子の数に比べて酸素原子の数が( 3 )ため、( 1 )の値は1よりも( 4 )。

( 1 )は、水酸化カリウム溶液が二酸化炭素を吸収する性質を利用して図の装置で測定することができる。装置の温度、室温は一定に保つようにする。底部に水酸化カリウム溶液または水を入れたシャーレを置き、網の上に置いたシャーレに被検生物を入れ、ふたをする。赤インクの位置を適当な位置に調整した後、活栓を閉めて測定を始める。一定時間後、赤インクの移動を調べる。水酸化カリウム溶液を入れた場合、赤インクは( 5 )に移動する。上側のシャーレにトウモロコシの発芽種子10gを入れ、底部のシャーレに水酸化カリウム溶液または水をいれた条件でそれぞれ5回ずつ測定した。赤インクの移動距離の平均は、水酸化カリウム溶液を入れたときが48.0mm、水を入れたときは8.0mmであった。水酸化カリウム溶液を入れたときと、水を入れた時の赤インクの移動方向は同じであった。このときの( 1 )は( 6 )である。

tokai-2013-biology-4-1
  • 問1 本文中の空欄( 1 )~( 6 )に当てはまる適切な語句を答えなさい。ただし、( 2 )には数値を、( 5 )には右または左を、( 6 )には、計算した数値を四捨五入し小数点以下第1位までの値を答えなさい。
  • 問2 オオムギを用いて調べたところ、畑で育っている葉では( 1 )は1.0であったが発芽後75時間の種子では0.8であった。発芽後75時間の種子で値が小さくなる理由を、句読点を含めて60字以内で説明しなさい。
  • 問3 ウォーキングをしている人(被検者)の呼気(吐いた息)を集めたところ、呼気量が1分あたり15l、二酸化炭素濃度が4%であった。ヒトでは酸素1lの消費が約5kcalのエネルギー消費に相当することがわかっている。( 1 )を0.8として、被検者の1時間あたりのエネルギー消費量をkcalで求めなさい。大気中の二酸化炭素(0.04%)は無視してよい。