図のように、点$\text{P}$から点$\text{R}$に至るレールが支持棒により水平な床面から浮かせて固定されている。このレールは、最高点$\text{P}$から点$\text{Q}$に至る曲線部と、点$\text{Q}$から点$\text{R}$に至る水平部から成り、点$\text{Q}$で滑らかにつながっている。レールノ最高点$\text{P}$は点$\text{R}$よりも鉛直高さ$H$だけ高い位置にある。また、天上の点$\text{T}$に一端が固定された長さ$L(L\gt H)$の伸び縮みしない軽い糸で鉛直に吊り下げられた小球$\text{B}$が点$\text{R}$に位置している。ただし、小球$\text{B}$は糸によってのみ支えられており、レールからの抗力は受けていない。

いま、点$\text{P}$から質量$m$の小球$\text{A}$を初速$v_0$でレールに沿って打ち出した。小球$\text{A}$はレールに沿って滑り降り、点$\text{Q}$を通過して点$\text{R}$において小球$\text{B}$と正面衝突した。小球$\text{B}$の質量は$4m$であり、小球$\text{A}$と小球$\text{B}$のはねかえり係数は$0.5$である。小球$\text{A}$が小球$\text{B}$に衝突した後、小球$\text{A}$はレールに沿ってはねかえされ、小球$\text{B}$は固定点$\text{T}$を中心とする半径$L$の円弧に沿った運動をして点$\text{R}$よりも鉛直高さ$h(h\lt L)$だけ高い最高点$\text{U}$に到達した。レールの表面は滑らかで摩擦はなく、また空気抵抗もないものとする。重力加速度の大きさを$g$として、以下の各問いに答えなさい。なお、以下の各問いでは、小球$\text{A}$が初めて点$\text{R}$に到達して小球$\text{B}$と衝突する場合、およびその衝突による運動を考えるものとする。また、小球$\text{A}$と小球$\text{B}$の運動はすべてレールを含む鉛直面内で行われるものとする。

• (1) 小球$\text{A}$と小球$\text{B}$の衝突直前の小球$\text{A}$の速さを$g$、$m$、$H$、$v_0$の中から適切な記号を用いて求めなさい。
• (2) 小球$\text{A}$と小球$\text{B}$の衝突直後の小球$\text{B}$の速さを$g$、$m$、$H$、$v_0$の中から適切な記号を用いて求めなさい。
• (3) 衝突後に小球$\text{B}$が到達する高さ$h$を$g$、$m$、$H$、$v_0$の中から適切な記号を用いて求めなさい。
• (4) 小球$\text{A}$と小球$\text{B}$の力学的エネルギーの和はこの衝突によってどれだけ減少したか、$g$、$m$、$H$、$v_0$の中から適切な記号を用いて求めなさい。
• (5) 小球$\text{A}$の初速$v_0$が$0$のとき、衝突後に小球$\text{B}$が到達する高さ$h$が$L$の$\dfrac{1}{20}$となるのは$H$がいくらのときか。$L$を用いて求めなさい。