東海大学化学2012年第2問
つぎの文を読み、以下の各問いに答えなさい。
硫化水素H2Sは水に溶けて弱酸性を示し、水溶液中でつぎのように2段階に電離している。
H2S⇆HS−+H+ HS−⇆S2−+H+(1)式および(2)式における電離定数をそれぞれKa1、Ka2とすると、Ka1=9.60×10−8mol/L、Ka2=1.30×10−14mol/Lである。ただし、温度は一定とする。ここで、硫化水素の初濃度をc[mol/L]、(1)式の電離度をα1とし、(1)式の電離のみが進行したと考えた場合、Ka1は濃度cと電離度α1を使ってアのように表すことができる。
Ka1=[HS−][H+][H2S]=ア[mol/L]このとき、電離度α1は1よりも十分小さいため、Ka1=イと近似的に表すことができる。
よって、α1、[HS−]および[H+]は、つぎのように表すことができる。
α1=ウ[HS−]=[H+]=エ(1)式の電離につづいて、(2)式の電離が進行した場合、(2)式の電離度をα2とすると、Ka2はつぎのように表すことができる。
Ka2=[S2−][H+][HS−]=エ×オ[mol/L]このとき、電離度α2は1よりも十分小さいため[S2−]は、[S2−]=カと表される。
したがって、α1およびα2が1よりも十分に小さいときはA
- 問1 文中の空欄ア~カに当てはまる式をa~lの中から一つずつ選び、解答欄の記号にマークしなさい。
- a. cα21
- b. c2α21
- c. c2α211−α1
- d. cα211−α1
- e. cα221−α2
- f. α2(1+α2)1−α2
- g. Ka1
- h. Ka2
- i. √cKa1
- j. √Ka1c
- k. √Ka1c
- l. √Ka1Ka2c
- 問2 文中の空欄Aに当てはまる適切な文章をa~eの中から一つ選び、解答欄の記号にマークしなさい。
- a. [S2−]は濃度cの平方根に比例する
- b. [S2−]は濃度cに比例する
- c. [S2−]は濃度cの平方根に反比例する
- d. [S2−]は濃度cに反比例する
- e. [S2−]は濃度cによらず一定である
- 問3 4.17×10−3mol/LのH2S水溶液のpHとして適切な値をa~eの中から一つ選び、解答欄の記号にマークしなさい。
- a. 3.7
- b. 4.3
- c. 4.7
- d. 5.3
- e. 5.7