東京医科大学生物2012年第2問

文を読んで問いに答えよ。

ヒトの眼球は、球形で3層の被膜と内部の通光装置からなる。

被膜の最外層は強膜と透明な$\fbox{ア}$で、眼球を保護する役割をもつ。中間層は脈絡膜と$\fbox{イ}$と$\fbox{ウ}$などで$\fbox{イ}$には(A)瞳孔括約筋と瞳孔散大筋があって、眼に入る光の量を調節している。最内層は網膜である。

内部の通光装置は、眼房水と$\fbox{エ}$と$\fbox{オ}$からなる。眼房水は$\fbox{ア}$と$\fbox{エ}$の間を満たしている透明の液体で、それらに栄養を与えている。$\fbox{エ}$は弾性に富み、様々な距離にあるものの像を網膜上で結ぶために、その厚さを$\fbox{ウ}$とチン小帯の働きで変えて、遠近調節をしている。この弾性は、年齢とともに失われて遠近調節がしにくくなり、壮年期後半から、(B)      ぼやけて見えるようになる。$\fbox{オ}$は細胞成分に乏しいゼリー状の透明な物質からなる。

  • 問1 文中の$\fbox{ア}$~$\fbox{エ}$に入る語は何か。最も適するものを(1)~(6)のなかから1つずつ選べ。
    • ア $\fbox{6}$
    • イ $\fbox{7}$
    • ウ $\fbox{8}$
    • エ $\fbox{9}$
    • (1) 水晶体
    • (2) 毛様体
    • (3) 角膜
    • (4) 結膜
    • (5) こう彩
    • (6) ガラス体
  • 問2 文中の下線部(A)を支配する神経は何か。最も適するものを(1)~(4)のなかから1つ選べ。$\fbox{10}$
    • (1) 感覚神経
    • (2) 運動神経
    • (3) 交感神経
    • (4) 副交感神経
  • 問3 次の(1)~(4)のなかで、文中の下線部(B)に入る句として最も適するものを、1つ選べ。$\fbox{11}$
    • (1) 目から20cmの距離で新聞を読むと、焦点が網膜より前に結ばれて、文字が
    • (2) 目から20 cmの距離で新聞を読むと、焦点が網膜より後ろに結ばれて、文字が
    • (3) 100m先の高層ビルを見上げると、焦点が網膜より前に結ばれて、高層ビルが
    • (4) 100 m先の高層ビルを見上げると、焦点が網膜より後ろに結ばれて、高層ビルが
  • 問4 脊椎動物の眼の発生過程に関する記述である。(1)~(5)のなかで、誤っているものを1つ選べ。$\fbox{12}$
    • (1) 角膜は表皮から生じる。
    • (2) 網膜は神経管から生じる。
    • (3) 水晶体は表皮から生じる。
    • (4) 眼杯は角膜を誘導する。
    • (5) 眼杯は水晶体を誘導する。
  • 問5 図1はヒトの視細胞の分布を示している。(1)~(7)のなかで、図中のA~Cに関する記述として、誤っているものを2つ選び、解答番号13の解答欄にマークせよ。$\fbox{13}$
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    • (1) Aは1種類の細胞である。
    • (2) Bは2種類の細胞である。
    • (3) Aの細胞は、青緑の光をよく吸収する。
    • (4) Aの細胞は、Bの細胞よりも弱い光に対する感度が高い。
    • (5) Bの細胞は、光を吸収するロドプシンと呼ばれる視物質をもつ。
    • (6) ビタミンA欠乏による夜盲症のヒトは、Aの細胞の働きが弱くなっている。
    • Cでは、視神経細胞の軸索が束になって網膜を内側から外側に貫いている。