東京医科大学化学2012年第5問
次の文章を読み、問い(問1~5)に答えよ。
ペプチドAは、表に示した6個のα-アミノ酸から構成されている。
ペプチドA:Ala-ア-イ-ウ-エ-Lys
ある酵素を用いてペプチドAを加水分解したところ、ペプチドB、Cが得られた。B、Cの水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性にした後、薄い硫酸銅(II)水溶液を少量加えたところ、Cのみ赤紫色になった。Cを部分的に加水分解したところ、3種類のジペプチドD、E、Fが得られた。A~Fの水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて熱し、酢酸で中和した後、酢酸鉛(II)水溶液を加えたところ、A、Bのみ黒色沈殿が生じた。また、A~Fに濃硝酸を加えて熱した後、アンモニア水を加えて塩基性にしたところ、橙黄色になったのは、A、C、D、Fであった。また、Eには不斉炭素原子を持たないアミノ酸が含まれていた。D、E、Fの混合物をpH6.5の緩衝溶液に溶かし、陽イオン交換樹脂を詰めたカラムに通したところ、Eのみが吸着した。その後、溶出した溶液を陰イオン交換樹脂を詰めたカラムに通したところ、Fのみが吸着した。
- 問1 α-アミノ酸ア、イ、ウとして最も適当なものを、それぞれ次の(1)~(6)のうちから選べ。
ア:$\fbox{23}$ イ:$\fbox{24}$ ウ:$\fbox{25}$- (1) Ala
- (2) Cys
- (3) Glu
- (4) Gly
- (5) Lys
- (6) Phe
- 問2 酸触媒存在下、F14.7gに十分な量のメタノールを反応させた。得られる生成物は何gか。最も適当な数値を、次の(1)~(6)のうちから選べ。
$\fbox{26}$g- (1) 15.4
- (2) 16.1
- (3) 16.6
- (4) 16.9
- (5) 17.6
- (6) 17.9
- 問3 Eに十分な量の無水酢酸を反応させて得られる化合物の分子量として最も適当な数値を、次の(1)~(6)のうちから選べ。
$\fbox{27}$
- (1) 245
- (2) 282
- (3) 287
- (4) 324
- (5) 354
- (6) 396
- 問4 水溶液中でのアミノ酸エの電離平衡および電離定数は、次の(1)式、(2)式で表せる(Rは側鎖を示す)。
水溶液のpHを4としたときのアミノ酸エのイオン$[\text{AH}_2\hspace{-.1em}^+]$と$[\text{A}^-]$との濃度比$[\text{AH}_2\hspace{-.1em}^+]/[\text{A}^-]$はいくらか。最も適当な数値を、次の(1)~(8)のうちから選べ。
$\fbox{28}$
- (1) 1
- (2) 102
- (3) 104
- (4) 2.5×107
- (5) 10-2
- (6) 10-3
- (7) 10-4
- (8) 4×10-8
- 問5 アミノ酸イ、ウから構成される鎖状ポリペプチド70.8gを完全に加水分解すると、アミノ酸イ29.4g、ウ49.5gが得られた。このポリペプチドの分子量はいくらか。最も適当な数値を、次の(1)~(8)のうちから選べ。
$\fbox{29}$
- (1) 512
- (2) 708
- (3) 954
- (4) 1024
- (5) 1416
- (6) 1908
- (7) 2048 (8) 2832