東京医科大学生物2013年第4問
問いに答えよ。
- 問1 次の(1)~(6)のなかで、カエルとウニの発生に共通する現象ではないものを2つ選び、解答番号33の解答欄にマークせよ。$\fbox{33}$
- (1) 全割する
- (2) 体外受精を行う
- (3) 幼生は餌を採る
- (4) 胞胚期にふ化する
- (5) 卵割で卵割腔が生じる
- (6) 未受精卵では卵黄が一様に分布している
- 問2 ウニの4回目の卵割は、動物半球では等割であるが、植物半球では卵割面が植物極側に寄って起こる。その結果、中割球8個・大割球4個・小割球4個の16細胞期となる。正常に発生が進むと、16細胞期の胚は、胞胚期を経て、中割球は外胚葉に、大割球は外胚葉・内胚葉(原腸)・二次間柔織に、小割球は一次間柔織に分化して原腸胚となる(図1A)。16細胞期の胚の動物極に別の胚の小割球を移植すると、二次原腸が形成され、移植した小割球由来の一次間柔織が二次原腸をとり囲んだ(図1B)。中割球を分離して発生を続けさせると、永久胞胚になった(図1C)が、小割球と組み合わせて発生させると、原腸胚になった(図1D)。小割球を除去して中割球と大割球だけからなる胚を発生させると、原腸胚になった(図1E)。この結果の解釈として正しくない記述を、(1)~(4)のなかから1つ選べ。$\fbox{34}$
- (1) 中割球は、外胚葉になるように運命づけられている。
- (2) 小割球は、自律分化して一次間柔織と二次間柔織になる。
- (3) 正常発生では、小割球は大割球が一次間柔織にならないように働いている。
- (4) 小割球は誘導能をもち、接している中割球から原腸と二次間柔織を形成させる。
- 問3 カエルの卵が受精すると、図2(a)のように、卵の表層部分が精子の進入した側に約30度ずれ、精子が進入した場所と反対の卵表面に灰色三日月環が形成される。その後卵割が進むと灰色三日月環のあった場所の中央植物極寄りに原口ができる。 図2(b)は成体の頭尾、背腹、左右の軸を示している。カエルの発生について正しい記述を、(1)~(5)のなかから2つ選び、解答番号35の解答欄にマークせよ。$\fbox{35}$
- (1) 原口は、将来口になる。
- (2) 灰色三日月環の領域は、将来脊索になる。
- (3) 受精卵では、背腹の軸が決まっている。
- (4) 頭尾の軸と左右の軸は、卵形成の時期に決まっている。
- (5) 灰色三日月環の領域の細胞質は、4細胞期の胚のそれそれの割球に均等に分配される。
- 問4 ヒトの生殖と発生に関する記述である。正しい記述を、(1)~(5)のなかから1つ選べ。$\fbox{36}$
- (1) 卵と精子は子宮内で出会い、受精する。
- (2) 始原生殖細胞は、発生中の精巣や卵巣で形成される。
- (3) 胚性幹細胞(ES細胞)は、受精卵と同等で1細胞から1個体をつくる能力をもっている。
- (4) 卵は減数分裂第二分裂中期の状態で排卵され、精子が進入すると第二極体を放出する。
- (5) 精子は、頭部・中片部・尾部からなり、尾部にはミトコンドリアが取り巻いた鞭毛が存在する。