東京医科大学化学2012年第1問
次の問1~5の各群には、(1)~(5)の中に誤りを含む文が1つあるか(1)~(5)の全てに誤りがないかのいずれかである。誤りがある場合はその文の記号(1)~(5)を、誤りがない場合は(6)を選べ。
- 問1 $\fbox{1}$
- (1) 酢酸水溶液の濃度が0.28mol/Lのとき、酢酸は1%電離している。
- (2) 水の電離は吸熱反応であるので、温度が高いほど水のイオン積は大きい。
- (3) 酢酸ナトリウム水溶液中の酢酸イオンの濃度とナトリウムイオンの濃度は等しい。
- (4) 0.1mol/Lの塩酸と0.1mol/Lの酢酸水溶液では、塩酸のほうが電気を通しやすい。
- (5) 25℃における純水のイオン積を1.0×10-14mol2/L2、純水1Lの質量を1000gとすると、25℃における純水の電離度は1.8×10-9である。
- (6) (1)~(5)に誤りはない。
- 問2 $\fbox{2}$
- (1) 放射性同位体の原子核は不安定であり、放射能を放出して壊れていく。
- (2) 自然界には、2種類以上の安定な同位体が存在しない元素もある。
- (3) 同素体は同じ元素からなるが、互いに性質の異なる単体である。
- (4) 同素体として存在する物質を構成する元素には、炭素、酸素、リン、硫黄がある。
- (5) 硫化物イオンは、K殻に2個、L殻に8個、M殻に8個の電子をもつ2価の陰イオンである。
- (6) (1)~(5)に誤りはない。
- 問3 $\fbox{3}$
- (1) 電気分解では、直流電源の負極につないだ電極を陰極、正極につないだ電極を陽極という。
- (2) 電池では、電子が導線に流れ出る電極を正極、導線から電子が流れ込む電極を負極という。
- (3) 電気分解では、陰極で還元反応が起こり、陽極で酸化反応が起こる。
- (4) 電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変える装置である。
- (5) 電池では、電流は正極から負極に流れる。
- (6) (1)~(5)に誤りはない。
- 問4 $\fbox{4}$
- (1) 十酸化四リン14.2gを水と完全に反応させると、19.6gのリン酸が得られる。
- (2) 窒素分子0.75×1020個が標準状態で占める体積は2.8cm3である。
- (3) 98%濃硫酸(密度1.8g/cm3)を使って、0.20mol/Lの硫酸水溶液1.0 Lを調製するには、濃硫酸11mLが必要である。
- (4) 炭酸ナトリウム1molと炭酸水素ナトリウム1molをそれぞれ塩酸と完全に反応させたときに生じる気体の物質量は等しい。
- (5) ある金属M2.8gを酸素中で完全に酸化させ、$\text{M}_2\text{O}_3$の化学式を有する金属酸化物4.0gを得た。金属Mの原子量は56である。
- (6) (1)~(5)に誤りはない。
- 問5 $\fbox{5}$
- (1) タンパク質水溶液のように、流動性のあるコロイドをゾルとよぶ。
- (2) 親水コロイドを取り囲み、凝析しにくくさせる疎水コロイドを保護コロイドという。
- (3) 少量の電解質で凝析するコロイドを疎水コロイドという。
- (4) 水酸化鉄(III)のコロイド溶液に電極を浸して直流電圧をかけると、コロイド粒子は陰極に移動する。
- (5) 飽和溶液では、溶質が溶液中へ溶解する速さと、溶液中から溶質が析出する速さが等しい。
- (6) (1)~(5)に誤りはない。