東京医科大学物理2013年第5問

文中の$\fbox{ア}$~$\fbox{カ}$に入る語は何か。もっとも適するものを(1)~(10)の中から選べ。

原子核の中には、ウランやラジウムのように不安定なものがあり、自然に放射線を出して他の原子核に変わる。これを原子核の崩壊または放射性崩壊という。このように、自然に放射線を出す性質を放射能という。放射能をもった原子核を放射性原子核という。

天然の放射性原子核から放出される放射線には、$\alpha$線、$\beta$線そして$\gamma$線の3種類がある。これらはもともと、磁場(磁界)中での曲がり方から区別された。$\alpha$線は$\fbox{ア}$であり、$\beta$線は$\fbox{イ}$、$\gamma$線は$\fbox{ウ}$である。これらの放射線は、物質を透過する能力が異なり、原子をイオン化する電離作用の強さなども異なる。放射能の強さの単位としては、1秒間に1個の原子核が崩壊するときの放射能の強さを1$\fbox{エ}$という。放射能の強さは、放射性原子核の個数と、その半減期で決められる。同数の放射性原子核がある場合は、半減期が短いほど放射能が強い。

放射線が物質に吸収されるとき、放射線が物質に与えるエネルギーを吸収線量という。物質1kgあたり1Jのエネルギー吸収があるときの吸収線量を1$\fbox{オ}$という。

人体が放射線を受けることを被曝という。被曝による放射線の吸収線量が同じでも、放射線の種類やそのエネルギーの違いによって人体への影響が異なる。その被曝量の影響の違い考慮した係数を吸収線量にかけて求めた量を等価線量という。その係数は、一般に$\alpha$線で大きく、$\beta$線そして$\gamma$線と小さくなっていく傾向がある。さらに、人体への影響は被曝する器官によっても異なるため様々な組織や臓器ごとに係数が決められている。等価線量にその係数をかけて、人体のすべての組織や臓器にわたって足しあわせたものが実効線量である。等価線量、実効線量ともに単位として通常$\fbox{カ}$を用いる。

  • (1) ベクレル
  • (2) シーベルト
  • (3) クレイ
  • (4) クーロン/キログラム
  • (5) ガウス
  • (6) 陽子
  • (7) 電子
  • (8) ヘリウム原子核
  • (9) 電磁波
  • (10) 中性子