東京慈恵会医科大学生物2012年第3問
恒常性と排出に関する各問いに答えよ。
- $\text{I}$. 硬骨魚の体液の恒常性は、生息環境に適応した仕組みで保たれている。例えば、マグロは常に多量の海水を飲み、水分を腸から吸収する一方で、えらにある$\fbox{1}$から余分な塩類を排出し、血液と$\fbox{2}$な尿を少量排出する。一方、ブナは水をほとんど飲まず、塩類を$\fbox{1}$から積極的に取り入れ、腎臓で塩類を多く再吸収するとともに薄い尿を多量に排出する。
ヒトでは腎臓が体液の恒常性維持や老廃物の排出において重要な働きをしている。ヒトが塩類の多い食事をしたり、多量に汗をかいた場合、視床下部にある$\fbox{3}$で合成されるバソプレシンが主に腎臓の$\fbox{4}$に働きかけ、水の再吸収を盛んにすることで体液の浸透圧の上昇を防いでいる。一方、多量の水を飲んだ場合、副腎皮質から分泌される$\fbox{5}$と呼ばれるホルモンが働いて、塩類の再吸収が促進される。
- 問1. 文中の1~5の$\Box$の中に適当な語を答えよ。
- 問2. サメなどの軟骨魚類は硬骨魚類とは異なった機構で海水に適応している。サメの体液の組成の特徴とそれが海水適応にもたらす効果について述べよ。
- $\text{I}\hspace{-.1em}\text{I}$. 下表は、健康な人にイヌリンを静脈注射した後、血しょう、原尿、尿における尿素とイヌリンの濃度を測定した結果を示している。ただし、イヌリンは細尿管(尿細管)で再吸収や分泌されない物質である。尿は1分間に1 ml生成されるものとする。
- 問3. 尿素は肝臓において、ある生体物質とCO2から作られる。ある生体物質とは何か、答えよ。
- 問4. 電子顕微鏡で細尿管を観察したところ、その細胞内には大型のミトコンドリアが多数分布していた。その理由を考察せよ。
- 問5. 原尿中の尿素は1分間に何 mg再吸収されたか、答えよ。
- $\text{I}\hspace{-.1em}\text{I}\hspace{-.1em}\text{I}$. 動物の排出器は進化に伴い変化を遂げた。図は系統樹上の動物を排出器の構造の違いにより、点線で区分したa~fのグループに分類したものである。
- 問6. 次のア~ウはa~fのうちのどのグループの特徴か、最も適当なグループを1つ選び、記号で答えよ。
- ア. 原腎管をもつ。
- イ. マルピーギ管をもつ。
- ウ.収縮胞をもつ。
- 問6. 次のア~ウはa~fのうちのどのグループの特徴か、最も適当なグループを1つ選び、記号で答えよ。