東京女子医科大学化学2012年第1問

次の各問いに答えよ。ただし、問1~問9の答はすべてマークシート式解答用紙の1~9のマーク欄にマークせよ。
  • 問1 $\text{K}$殻、$\text{L}$殼および$\text{M}$殻の電子数が$x$、$y$および$z$である原子の電子配置を$\text{K}^x\text{L}^y\text{M}^z$と表すとき、次のア~キの電子配置をもつ原子のうち、セシウムと族が同じ原子はどれか。
    • ア  $\text{K}^2\text{L}^3$
    • イ  $\text{K}^2\text{L}^5$
    • ウ  $\text{K}^2\text{L}^7$
    • エ  $\text{K}^2\text{L}^8\text{M}^1$
    • オ  $\text{K}^2\text{L}^8\text{M}^2$
    • カ  $\text{K}^2\text{L}^8\text{M}^4$
    • キ  $\text{K}^2\text{L}^8\text{M}^6$
  • 問2 浸透圧に関する次の記述のうち、誤っているものすべてを選んだものはどれか。
    • (1) 生理食塩水中で赤血球が収縮も膨張もしないのは、赤血球の内外で浸透圧が等しいからである。
    • (2) 希薄溶液の浸透圧の測定は、溶質の分子量測定に利用される。
    • (3) 希薄溶液の浸透圧は、溶質のモル濃度にのみ関係し、温度および溶質の種類には無関係である。
    • (4) 25°Cで質量パーセント0.5%の食塩水は2%グルコース溶液よりも高い浸透圧を示す(ただし、二つの水溶液の密度は1.0 g/cm3として考えよ)。
    • (5) 逆浸透法を利用すれば海水を淡水化できる。
    • ア (1)のみ
    • イ (2)のみ
    • ウ (3)のみ
    • エ (4)のみ
    • オ (5)のみ
    • カ (1)と(2)
    • キ (1)と(3)
    • ク (2)と(4)
    • ケ (3)と(4)
    • コ (3)と(5)
    • サ (4)と(5)
  • 問3 金属のイオン化傾向に関して以下の実験を行った。
    • A:硫酸銅(Ⅱ)水溶液にニッケル板を入れると、表面に銅が析出した。
    • B:硝酸鉛(Ⅱ)水溶液にニッケル板を入れると、表面に鉛が析出した。
    • C:硝酸銀水溶液に銅板を入れると、表面に銀が析出した。
    次の記述(1)~(5)のうち、上の実験結果だけでは結論できないものをすべて選んだのはどれか。
    • (1) 銅は銀よりも強い還元剤である。
    • (2) 銀イオンはニッケルイオンよりも強い酸化剤である。
    • (3) ニッケル、銀、銅、鉛の中で、最も強い還元剤はニッケルである。
    • (4) ニッケルイオン、銀イオン、銅(Ⅱ)イオン、鉛(Ⅱ)イオンの中で、最も強い酸化剤は銀イオンである。
    • (5) 硝酸鉛(Ⅱ)水溶液に銅板を入れても、反応しない。
    • ア (1)のみ
    • イ (2)のみ
    • ウ (3)のみ
    • エ (4)のみ
    • オ (5)のみ
    • カ (1)と(3)
    • キ (1)と(5)
    • ク (2)と(4)
    • ケ (3)と(4)
    • コ (3)と(5)
    • サ (4)と(5)
  • 問4 25°Cで、0.1 mol/L酢酸に、等量の0.1 mol/L酢酸ナトリウム水溶液を混合して緩衝液を調製した。この緩衝液についての記述(1)~(5)のうち、内容に誤りのある記述を、すべて選んだものはどれか。ただし、この温度における0.1 mol/L酢酸の電離度は0.016とする。
    • (1) 酢酸ナトリウムは、ほぼ完全に電離している。
    • (2) 酢酸は、大部分が分子のまま溶けている。
    • (3) 緩衝液の水素イオン濃度は、0.1 mol/L酢酸の水素イオン濃度と同じである。
    • (4) 緩衝液10 mLに0.1 mol/Lの塩酸を0.1mL加えたときのpHの値と、0.1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を0.1mL加えたときのpHの値 は、理論的には全く同じである。
    • (5) 水で10倍に希釈した緩衝液の緩衝能力は、希釈前に比べて小さい。
    • ア (1)のみ
    • イ (2)のみ
    • ウ (3)のみ
    • エ (4)のみ
    • オ (5)のみ
    • カ (1)と(2)
    • キ (1)と(4)
    • ク (2)と(3)
    • ケ (3)と(4)
    • コ (3)と(5)
    • サ (4)と(5)
  • 問5 気体の精製法として、少量の酸素を含む窒素を精製するのに最も適している方法をア~オの中から選べ。
    • ア 濃硫酸の中を通す。
    • イ 水酸化ナトリウム水溶液の中を通す。
    • ウ 熱した銅の網の中を通す。
    • エ ソーダ石灰の中を通す。
    • オ シリカゲルの中を通す。
  • 問6 $\text{A}$と$\text{B}$の2種類の分子が衝突して$\text{C}$ができる反応$\text{A}+\text{B}\longrightarrow\text{C}$がある。この反応の60°Cでの反応の速さは40°Cでの反応の速さの約4倍であった。120°Cでのこの反応の速さは60°Cでの反応の速さの約何倍になるか。最も近い数値をア~キから選べ。
    • ア 10
    • イ 20
    • ウ 40
    • エ 60
    • オ 80
    • カ 100
    • キ 120
  • 問7 水素結合に関する次の記述のうち、誤っているものすべてを選んだものはどれか。
    • (1) 水素結合は、一般にファンデルワールス力よりも強い分子間相互作用である。
    • (2) 酢酸は、水素結合により二量体を形成しやすい。
    • (3) アルコールはケトンとの間にも水素結合を形成する。
    • (4) 水素結合は、分子間における水素原子と水素原子の間の相互作用である。
    • (5) 液体アンモニアでは、分子間で水素結合が形成されている。
      • ア (1)のみ
      • イ (2)のみ
      • ウ (3)のみ
      • エ (4)のみ
      • オ (5)のみ
      • カ (1)と(2)
      • キ (1)と(4)
      • ク (2)と(3)
      • ケ (3)と(4)
      • コ (3)と(5)
      • サ (4)と(5)
    • 問8 8.1 gのセルロースを完全にアセチル化したときに得られる化合物は、理論的には何gか。最も近い数値をア~カから選べ。
      • ア 11.8
      • イ 13.7
      • ウ 14.4
      • エ 15.0
      • オ 15.8
      • カ 20.2
    • 問9 酸性雨とは、空気中の窒素酸化物や硫黄酸化物が雨に溶けて硝酸や硫酸を生成するために、pHが4~5まで下がった雨のことをいう。いま、底面積100 m2の立方体の容器に1時間あたり100 mmの雨が2時間降り注いだ。この容器に集めた雨水のpHは4.0だったので消石灰120 gを散布して中和した。この酸性雨の酸の成分がすべて硝酸で、他の成分の影響は無視できるものとして、中和に使われた消石灰は散布した消石灰の約何パーセントにあたるか。最も近い値を選べ。
      • ア 20
      • イ 30
      • ウ 40
      • エ 50
      • オ 60
      • カ 70
      • キ 80